多発する嚢胞性,結節性陰影を呈したAIDS患者のニューモシスチス肺炎
渡辺 理沙 岩見 枝里 池村辰之介 中島 隆裕 松﨑 達 寺嶋 毅
東京歯科大学市川総合病院呼吸器内科
症例は41歳の男性.同性愛者.半年前に労作時呼吸困難,咳嗽が出現,胸部X線写真では左上肺野に嚢胞性陰影を認めた.受診時の胸部単純CTでは肺門部優位に大小さまざまの嚢胞性,結節性陰影が多発していた.HIV抗体陽性,血清KL-6,β-D-グルカン高値,気管支肺胞洗浄液のPCR検査にてPneumocystis jirovecii陽性であり,AIDS,ニューモシスチス肺炎と診断した.ST合剤,アトバコン治療により結節性陰影,嚢胞性陰影は縮小,消退した.興味ある画像所見と考えられた.
ニューモシスチス肺炎 後天性免疫不全症候群 嚢胞性陰影 結節性陰影
Received 14 Feb 2016 / Accepted 23 Mar 2016
連絡先:寺嶋 毅
〒272-8513 千葉県市川市菅野5-11-13
東京歯科大学市川総合病院呼吸器内科
日呼吸誌, 5(4): 230-233, 2016