ANCA関連血管炎による閉塞性細気管支炎が疑われた1例
安部 光洋 津島 健司 山本 慶子 菅 正樹 寺田 二郎 巽 浩一郎
千葉大学大学院医学研究院呼吸器内科学
症例は41歳,女性.約6ヶ月前から徐々に呼吸困難が悪化し当科を受診した.画像および呼吸機能検査所見から閉塞性細気管支炎が疑われた.細気管支領域の組織採取はできなかったものの,経気管支鏡下肺生検にて血管炎を支持する所見を認め,血清MPO-ANCA高値(133 U/ml)とあわせて血管炎による閉塞性細気管支炎が疑われた.肺以外の主要臓器に血管炎の影響は認めなかった.寛解導入療法によって,1秒量の改善は乏しかったが自覚症状および血清MPO-ANCA値,肺活量は改善がみられた.
Received 19 Dec 2015 / Accepted 17 Mar 2016
連絡先:安部 光洋
〒260-8670 千葉県千葉市中央区亥鼻1-8-1
千葉大学大学院医学研究院呼吸器内科学
日呼吸誌, 5(4): 217-221, 2016