人工呼吸器管理を要したサルコイドーシス関連肺高血圧症の1例
桂井 隆明a 上田 剛士a 石田 恵梨a 二宮 清a 長井 苑子b
a洛和会丸太町病院救急総合診療科
b公益財団法人京都健康管理研究会中央診療所
症例は47歳,男性.35歳時にサルコイドーシスの診断を受けていたが,半年の経過で増悪する労作時の呼吸困難を主訴に受診した.著明な低酸素血症を認め人工呼吸器管理とした.肺高血圧を伴うサルコイドーシスの増悪による呼吸不全と判断し,ステロイドの投与を行い呼吸状態の著明な改善を認めた.サルコイドーシスで,人工呼吸器管理を必要とする高度な呼吸不全の報告は少ない.本症例からは,肺高血圧に比して肺線維症が軽微であれば,急性で重篤な呼吸不全であってもステロイドが有効であることが示唆されたが,今後の症例集積が望まれる.
サルコイドーシス 呼吸不全 人工呼吸器 肺高血圧症 ステロイド
Received 5 May 2015 / Accepted 12 Jan 2016
連絡先:桂井 隆明
〒604-8405 京都府京都市中京区聚楽廻松下町9-7
洛和会丸太町病院救急総合診療科
日呼吸誌, 5(3): 145-149, 2016