Finger-in-glove signを呈した孤立性気管支乳頭腫の1例
鍬崎恵里子a 関谷 充晃a 児玉 裕三a 鈴木 健司b 植草 利公c 高橋 和久a
a順天堂大学医学部呼吸器内科
b同 呼吸器外科
c関東労災病院病理診断科
症例は63歳,男性.2012年9月の健診で右肺門部腫瘤を指摘された.胸部CTで右S3に2 cm大の結節とその末梢に分枝状のfinger-in-glove signを認めた.気管支鏡で右B3入口部を閉塞する腫瘍を認め,右上葉切除の結果,孤立性腺上皮型乳頭腫と診断した.孤立性気管支乳頭腫はまれな疾患であるが,finger-in-glove signを呈する鑑別疾患として考慮すべきである.
Received 28 Oct 2015 / Accepted 1 Feb 2016
連絡先:関谷 充晃
〒113-8421 東京都文京区本郷2-1-1
順天堂大学医学部呼吸器内科
日呼吸誌, 5(3): 116-120, 2016