性腺刺激ホルモン放出ホルモンアナログ投与による治療に成功した稀少部位子宮内膜症の1例
小林 奨a 松瀬 厚人b 小河原大樹c 大島 一浩c 副島 佳文a 河野 茂d
a社会医療法人白十字会佐世保中央病院呼吸器内科
b東邦大学医療センター大橋病院呼吸器内科
c長崎大学大学院医歯薬学総合研究科感染免疫学講座
d長崎大学
症例は22歳,女性.月経時に喀血し受診.気管支鏡検査(BF)では気管,気管支にブルーベリースポットを認めた.気管支肺胞洗浄液にてヘモジデリン貪食マクロファージを確認し,臨床的に稀少部位子宮内膜症と診断.病変が広範囲に散在するために手術の適応はなく,性腺刺激ホルモン放出ホルモン(GnRH)アナログによる偽閉経療法を選択.4週間に1回のGnRHアナログ投与を計6回施行後,最初の月経時および半年後の月経時にBFを施行し病変の消失を確認しえた.以降,現在まで再発を認めていない.若年女性の喀血の鑑別として重要と思われ報告した.
稀少部位子宮内膜症 ブルーベリースポット 性腺刺激ホルモン放出ホルモンアナログ 酢酸リュープロレリン
Received 26 Dec 2014 / Accepted 7 Sep 2015
連絡先:小林 奨
〒857-1195 長崎県佐世保市大和町15
社会医療法人白十字会佐世保中央病院呼吸器内科
日呼吸誌, 5(1): 52-56, 2016