生検時器質化肺炎像を主体とし8年の経過で急性増悪をきたしたfibrotic nonspecific interstitial pneumoniaの1剖検例
飯島 裕基a 杉山幸比古a 間藤 尚子a 山沢 英明a 武村 民子b 坂東 政司a
a自治医科大学内科学講座呼吸器内科学部門
b日本赤十字社医療センター病理部
症例は79歳,男性.8年前に胸膜下浸潤影および経気管支肺生検にて気腔内器質化を認め特発性器質化肺炎(COP)と診断した.その後COPとして矛盾しない経過をとっていたが,8年後急性増悪をきたし死亡した.剖検における組織像はfibrotic nonspecific interstitial pneumoniaとびまん性肺傷害を呈していた.器質化肺炎(OP)はCOP以外のさまざまな病態においても認められる病理所見であり,OPと非特異性間質性肺炎が混在する病態や線維化の進行をきたすCOPなども報告されている.本症例では,気管支鏡検体でOP所見を認めた際の診断や臨床経過の評価の難しさについて考察を行った.
特発性器質化肺炎 非特異性間質性肺炎 特発性間質性肺炎 肺線維症
Received 23 Jun 2015 / Accepted 7 Sep 2015
連絡先:飯島 裕基
〒329-0498 栃木県下野市薬師寺3311-1
自治医科大学内科学講座呼吸器内科学部門
日呼吸誌, 5(1): 18-22, 2016