
胸膜生検にて診断した胸膜炎合併IgG4関連疾患の1例
正木 康晶a 古瀬 秀明a 津田 岳志a 鈴木 健介a 阿保 斉b 谷口 浩和a
a富山県立中央病院内科(呼吸器)
b同 放射線診断科
症例は70歳,男性.大腸癌を認めFDG-PET-CTを行ったところ,縦隔リンパ節腫脹や後腹膜線維症の所見がみられIgG4関連疾患が疑われた.また少量の左胸水を認めた.2ヶ月後のCTで胸水増加を認め胸腔穿刺したところリンパ球優位の滲出性胸水と考えられ,アデノシンデアミナーゼおよびIgG4の高値を認めた.胸水の抗酸菌塗抹・PCR検査およびクオンティフェロン検査は陰性であった.胸膜生検を行い胸膜にIgG4陽性形質細胞浸潤を認め,胸膜炎合併IgG4関連疾患と診断した.IgG4関連疾患で胸膜炎を認めることはまれであるため報告する.
Received 4 Jan 2015 / Accepted 30 Jun 2015
連絡先:正木 康晶
〒930-8550 富山県富山市西長江2-2-78
富山県立中央病院内科(呼吸器)
日呼吸誌, 4(6): 473-477, 2015