
マクロライドの有効性を強制オシレーション法で経過観察した原発性線毛機能不全症例
斉藤那由多a,b 飯倉 元保a 千野 遥a 正木 晴奈a 放生 雅章a 杉山 温人a
a国立国際医療研究センター病院呼吸器内科
b現 東京慈恵会医科大学内科学講座呼吸器内科
症例は83歳,女性.慢性閉塞性肺疾患として近医通院中,肺炎で入院した.単純CTで気管支拡張,びまん性小葉中心性粒状影,副鼻腔炎を認め,肺炎改善後精査を行った.呼吸機能検査で混合性換気障害を呈し,気管支粘膜の超微構造検査で線毛構造異常を認め,原発性線毛機能不全症と診断した.クラリスロマイシンを投与し,症状,呼吸機能,画像所見は改善した.強制オシレーション法により,呼吸機能の治療経過を観察しえた.本症治療でのクラリスロマイシンの有効性,診断,治療評価における強制オシレーション法の有用性が示唆された.
原発性線毛機能不全症 超微構造 マクロライド 強制オシレーション法
Received 12 Feb 2015 / Accepted 22 Jun 2015
連絡先:斉藤 那由多
〒162-8655 東京都新宿区戸山1-21-1
国立国際医療研究センター病院呼吸器内科
日呼吸誌, 4(6): 444-448, 2015