霊芝含有の健康食品による薬剤性肺炎を合併したと考えられたシェーグレン症候群の1例
小佐井幸代 高橋比呂志 岡林比呂子 丸山理一郎 本田 泉 杉本 峯晴
社会保険大牟田天領病院呼吸器科
症例はシェーグレン症候群と診断された71歳の女性.5ヶ月前に肺炎に罹患し,それまで服用していた健康食品を中止した.霊芝含有の健康食品を再開したところ,咳嗽と発熱を伴うすりガラス様陰影が両肺野に出現した.気管支肺胞洗浄液はリンパ球増加を認め,経気管支肺生検病理組織像は胞隔炎の所見であった.膠原病関連間質性肺炎の可能性も考えられたが,病歴,経過,検査成績より健康食品による薬剤性肺炎と診断した.膠原病の患者で肺病変を合併した場合,薬剤性肺炎も鑑別診断の一つにあげて詳細な問診を行う必要がある.
Received 16 Jan 2015 / Accepted 15 May 2015
連絡先:小佐井 幸代
〒836-8566 福岡県大牟田市天領町1-100
社会保険大牟田天領病院呼吸器科
日呼吸誌, 4(5): 385-388, 2015