急性増悪に伴いびまん性肺胞出血をきたした特発性非特異性間質性肺炎の1剖検例
韓 元泰a 長谷川瑞江a 佐藤 昭寿a 坪水小百合a 桂 秀樹a 廣島 健三b
a東京女子医科大学八千代医療センター呼吸器内科
b同 病理診断科
症例は71歳,男性.2009年に間質性肺炎と診断され経過観察されていた.2012年8月に呼吸不全と両肺野すりガラス陰影が出現し,入院となった.間質性肺炎の急性増悪と考え,ステロイドパルス,サイクロスポリンによる加療を行ったが,血痰が出現,呼吸不全が進行し,第19病日に死亡した.剖検所見より,特発性非特異性間質性肺炎を背景とした高度のびまん性肺胞障害に伴う二次的な肺胞出血と診断された.間質性肺炎の急性増悪では,びまん性肺胞出血を合併しうることを念頭に置き,予後不良因子として認識すべきと考えられた.
特発性非特異性間質性肺炎 急性増悪 びまん性肺胞出血 びまん性肺胞障害
Received 2 Nov 2014 / Accepted 22 Apr 2015
連絡先:長谷川 瑞江
〒276-8524 千葉県八千代市大和田新田477-96
東京女子医科大学八千代医療センター呼吸器内科
日呼吸誌, 4(5): 375-379, 2015