胃胸腔瘻による膿気胸で発症した胃原発びまん性大細胞型B細胞性リンパ腫の1例
野末 剛史a 横村 光司a 赤堀 大介a 阿部 岳文a 秋山 訓通a 須田 隆文b
a聖隷三方原病院呼吸器内科
b浜松医科大学呼吸器内科
症例は67歳,男性.関節リウマチ治療中に左胸痛があり,肺虚脱と胸腔内の複数の液面形成から膿気胸が疑われた.胸水はpH低値で好中球増多を伴い,グラム染色では酵母様真菌を認め,Candida属が培養同定され,膿気胸の原因は胸腔へ穿破する潰瘍を伴う胃弓隆部のびまん性大細胞型B細胞性リンパ腫と診断された.胸腔内からのCandida属の検出は消化管との瘻孔形成を疑うべき重要な所見として認識する必要があり,報告した.
Received 8 Aug 2014 / Accepted 21 Jan 2015
連絡先:横村 光司
〒433-8558 静岡県浜松市北区三方原町3453
聖隷三方原病院呼吸器内科
日呼吸誌, 4(3): 235-239, 2015