神経線維腫症I型に合併した肺MALTリンパ腫の1手術例
本村 文宏a 田中 明彦b 山口 圭介c 伊丹 弘恵d 秋江 研志a 深澤雄一郎d
a市立札幌病院呼吸器内科
b同 呼吸器外科
c同 血液内科
d同 病理診断科
症例は59歳,男性.4年前に右肺の巨大気腫性ブラに伴う気胸を発症したがドレナージで保存的に改善した.気腫性肺嚢胞の再評価のために撮影した胸部CTで右肺中葉に結節影を認め,特徴的な皮疹,家族歴から神経線維腫症I型と診断された.肺結節影は術前肺癌を疑っていたが,術後病理で肺MALTリンパ腫と診断された.神経線維腫症I型とMALTリンパ腫の合併は検索しえた限り報告がなく,まれな症例と考えられた.
Received 25 Jul 2014 / Accepted 12 Feb 2015
連絡先:本村 文宏
〒060-8604 北海道札幌市中央区北11条西13-1-1
市立札幌病院呼吸器内科
日呼吸誌, 4(3): 231-234, 2015