超高齢者に発症した自己免疫性肺胞蛋白症の1例
国立病院機構水戸医療センター呼吸器科
症例は90歳,女性.健診で胸部異常陰影を指摘され水戸医療センターを受診した.胸部CTでは両肺に内部に網状影を伴うすりガラス状陰影が広がり,いわゆるcrazy-paving appearanceを呈していた.気管支鏡検査を施行したところ,気管支肺胞洗浄液の外観は乳白色で,経気管支肺生検では肺胞腔内がPAS陽性好酸性物質で占められていた.血清抗GM-CSF抗体は陽性(119.6 μg/ml)であり,自己免疫性肺胞蛋白症と診断した.アンブロキソール内服後に陰影はほぼ消失した.貴重な症例と考え,文献的考察を加えて報告する.
Received 25 Jul 2014 / Accepted 10 Nov 2014
連絡先:沼田 岳士
〒311-3193 茨城県東茨城郡茨城町桜の郷280
国立病院機構水戸医療センター呼吸器科
日呼吸誌, 4(2): 181-184, 2015