無治療でKL-6が低下した抗EJ抗体陽性の間質性肺炎の1例
築家 直樹a 池田宗一郎a 玉舎 学b 後藤 功a 花房 俊昭a
a大阪医科大学内科学I
b近畿中央胸部疾患センター
症例は51歳,女性.主訴は労作時呼吸困難.胸部CTでびまん性すりガラス陰影を認めた.築40年の木造家屋に在住しており,慢性過敏性肺炎を疑った.酸素投与のみを行いKL-6は低下したが肺の容量減少は進行した.胸腔鏡下肺生検を施行したところ,組織は器質化肺炎の混在した非特異性間質性肺炎であった.抗ARS抗体症候群を疑い,ステロイドとシクロスポリンを投与し臨床所見は改善した.後日,抗EJ抗体陽性と判明した.抗EJ抗体陽性間質性肺炎は自然経過でKL-6が低下することがあり,注意が必要である.
Received 6 Jul 2014 / Accepted 18 Nov 2014
連絡先:築家 直樹
〒569-8686 大阪府高槻市大学町2-7
大阪医科大学内科学I
日呼吸誌, 4(2): 171-175, 2015