急速に増大した肺嚢胞切除後,長期間肺機能の改善を維持できた慢性閉塞性肺疾患の1例
藤井 充弘a 岩神真一郎a 原 宗央a 石渡 俊次a 瀬山 邦明b 高橋 和久b
a順天堂大学医学部附属静岡病院呼吸器内科
b順天堂大学大学院医学研究科呼吸器内科学
症例は47歳,男性.慢性閉塞性肺疾患の増悪のため順天堂大学医学部附属静岡病院に転院となった.転院後,胸部X線写真上,右肺嚢胞が徐々に増大し,呼吸状態が急速に悪化したため肺嚢胞切除術を施行した.術後肺機能検査にて努力性肺活量対予測値(%FVC),1秒量対予測値(%FEV1)は著明に改善した.退院後,約5年間外来通院中であるが,CT上,肺嚢胞の再発は認めず,%FVC,%FEV1は術後の測定値をほぼ維持している.肺嚢胞切除術は肺機能の改善と,長期にわたる改善の維持が期待できると考えられた.
Received 18 Aug 2014 / Accepted 18 Dec 2014
連絡先:藤井 充弘
〒410-2295 静岡県伊豆の国市長岡1129
順天堂大学医学部附属静岡病院呼吸器内科
日呼吸誌, 4(2): 166-170, 2015