化学療法後にサルベージ手術を施行したIV期非小細胞肺癌の1例
飯島 秀弥a 洞口 亮a 関 由美加a 須田 祐司a 進藤百合子a 澤井 高志b
a仙台市医療センター仙台オープン病院呼吸器内科
b同 病理部
症例は66歳,男性.胸部異常陰影精査目的に紹介受診し,中葉のIV期肺腺癌(cT4N3M1a)と診断された.初回化学療法で著効が得られたが,忍容性不良で同治療継続困難と判断し,サルベージ手術を施行した.主病巣では再増殖を示す少数の癌細胞とリンパ球浸潤を認めたが,転移巣はすべて線維化しており,摘出リンパ節に癌細胞は認められなかった.術後化学療法施行後,9ヶ月再発はみられていない.第二次化学療法に移行する前に,手術という選択肢を考慮することも有用な場合があると考えられた.
Received 23 Aug 2014 / Accepted 31 Oct 2014
連絡先:飯島 秀弥
〒983-0824 宮城県仙台市宮城野区鶴ヶ谷5-22-1
仙台市医療センター仙台オープン病院呼吸器内科
日呼吸誌, 4(2): 144-148, 2015