
総合感冒薬の偶然の再投与でアセトアミノフェンによる薬剤性肺炎と診断した1例
佐々木 茜a,b 村田 研吾b 佐藤 祐b 和田 曉彦b 高森 幹雄b
a千葉大学医学部附属病院呼吸器内科
b東京都立多摩総合医療センター呼吸器内科
症例は80歳,女性.アセトアミノフェンを含有するカロナール®内服後に発熱,呼吸困難が出現し東京都立多摩総合医療センターに入院.気管支肺胞洗浄液中好酸球増多から好酸球性肺炎と診断.薬剤中止とステロイド投与で改善した.半年後にアセトアミノフェンを含有するカフコデ®Nを内服し呼吸困難が再度出現した.病歴,末梢血好酸球増多とCT所見から薬剤性肺炎の再発と診断.薬剤中止とステロイド投与で速やかに改善した.アセトアミノフェンによる薬剤性肺炎が同薬を含む総合感冒薬の偶然の再投与で証明され,また合剤処方における注意を喚起する貴重な症例と考えた.
薬剤性肺炎 好酸球性肺炎 気管支肺胞洗浄 アセトアミノフェン ドラッグチャレンジテスト
Received 18 Mar 2014 / Accepted 14 Jul 2014
連絡先:佐々木 茜
〒260-8677 千葉市中央区亥鼻1-8-1
千葉大学医学部附属病院呼吸器内科
日呼吸誌, 3(6): 813-817, 2014