
がん化学療法直後に心原性ショックを伴った褐色細胞腫合併肺腺癌の1例
藤沢市民病院呼吸器科
症例は67歳,男性.肺癌検診の胸部X線写真で左上肺野に結節影を指摘された.前医で副腎転移を伴うIV期の肺腺癌と診断され,がん化学療法を施行された翌日に呼吸困難と意識障害を認め,心原性ショックに対して集中治療を行い,救命した.再精査で肺癌IA期と褐色細胞腫の合併と診断した.肺癌精査中に副腎偶発腫瘍を認めた場合,無症状でも褐色細胞腫など原発性副腎腫瘍の併発を念頭に置く必要がある.
Received 24 Apr 2014 / Accepted 18 Aug 2014
連絡先:長倉 秀幸
〒251-8550 神奈川県藤沢市藤沢2-6-1
藤沢市民病院呼吸器科
日呼吸誌, 3(6): 805-808, 2014