
Beyond PD治療中に腸管気腫症を発症した原発性肺癌の1例
山本 愛a 菊池 直a 磯部 和順a 和田 知博a 渋谷 和俊b 本間 栄a
a東邦大学医療センター大森病院呼吸器内科
b同 病理部
症例は70歳,女性,原発性肺腺癌cT4N1M1b stage IV,上皮成長因子受容体(EGFR)遺伝子変異陽性.エルロチニブ(150 mg/日)を8ヶ月間投与後,原発巣が増大し,エルロチニブを継続投与したままペメトレキセド(500 mg/body,3週間隔)を追加投与したが,3コース目day 9で嘔吐,下痢を認めた.腹部CTでは上行~横行結腸の壁内の気腫像を認め腸管気腫症と診断した.Beyond PDに対しエルロチニブとペメトレキセドの併用治療中に腸管気腫症を発症した我が国1例目の症例を報告する.
腸管気腫症 原発性肺癌 Beyond PD ペメトレキセド エルロチニブ
Received 20 Sep 2013 / Accepted 13 Feb 2014
連絡先:磯部 和順
〒143-8541 東京都大田区大森西6-11-1
東邦大学医療センター大森病院呼吸器内科
日呼吸誌, 3(4): 548-552, 2014