EBウイルス肺炎を併発した伝染性単核球症のアメリカ人女性の1例
虎の門病院分院呼吸器科
生来健康な22歳のペルー系米国人の女性.10日前より39℃の発熱と咽頭痛を主訴に受診.胸部X線で両下肺野に浸潤影を認めた.抗菌薬投与は無効で,肺炎像は悪化した.異型リンパ球の増多と肝脾腫を認め,Epstein-Barr(EB)ウイルス抗VGA-IgM抗体40倍,同IgG抗体160倍と高値であり,EBウイルス感染に伴う伝染性単核球症と診断した.気管支鏡で,気管支肺胞洗浄液中の異型リンパ球増多とEBウイルスのreal time PCR陽性を認め,EBウイルス肺炎と診断.対症療法のみ行い,改善した.EBウイルス肺炎は貴重な症例であり,報告する.
Received 11 Sep 2013 / Accepted 31 Mar 2014
連絡先:山越 志保
〒213-8587 神奈川県川崎市高津区梶ヶ谷1-3-1
虎の門病院分院呼吸器科
日呼吸誌, 3(4): 536-540, 2014