びまん性すりガラス様陰影による急性呼吸不全で発症した続発性肺悪性リンパ腫の1例
矢口 大三 市川 元司 志津 匡人 小林 直人 松浦 彰伸 小林 大祐
岐阜県立多治見病院呼吸器内科
症例は65歳,男性.労作時呼吸困難,発熱が出現し,細菌性肺炎の診断にて他院入院したが,呼吸不全が改善しないため岐阜県立多治見病院転院.びまん性すりガラス様陰影を認め,低酸素血症を伴い,気管支肺胞洗浄液の細胞分画がリンパ球71%と上昇していた.ステロイドパルス療法を行い,呼吸状態の改善を認めたが,早期に再増悪した.PET-CTで脾臓と背部皮下にFDGの集積が認められ,皮下結節の生検よりびまん性大細胞型B細胞リンパ腫と診断された.びまん性すりガラス様陰影を呈し,肺浸潤による急性呼吸不全にて発症した続発性肺悪性リンパ腫の症例を経験したので,報告する.
急性呼吸不全 すりガラス様陰影 肺浸潤 悪性リンパ腫 抗菌薬不応性肺炎
Received 1 Jul 2013 / Accepted 7 Mar 2014
連絡先:矢口 大三
〒507-8522 岐阜県多治見市前畑町5-161
岐阜県立多治見病院呼吸器内科
日呼吸誌, 3(4): 530-535, 2014