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急性期市中病院における医療・介護関連肺炎215例の予後因子の検討
稲田 祐也a 眞本 卓司a 梅田 喜亮a 久保 寛明a 京本 陽行a 小川 未来a 柴多 渉a 千葉 玲哉a 吉本 直樹c 後藤 充晴a 伴 裕雅d 畠中 章五a 梁 尚志b
aベルランド総合病院呼吸器内科
b同 腫瘍内科
c大阪市立大学医学部附属病院呼吸器内科
d東住吉森本病院呼吸器内科
2010年にベルランド総合病院に入院した医療・介護関連肺炎患者215例の死亡例における臨床的特徴を明らかにし,死亡に対する独立した寄与因子についての検討を行った.生存群は183例,死亡群は32例であった.両群間で基礎疾患,耐性菌の分離頻度には有意な差は認められなかったが,死亡群は生存群と比較して高齢で,有意な入院期間の延長とperformance status(PS)の悪化がみられ,看護必要度と肺炎重症度が高かった.血液検査所見でもBUN値と血清Cr値に有意な差を認めた.多変量解析にて年齢,血清Cr,血圧低下,看護必要度B,悪性腫瘍がリスク因子として規定された.医療・介護関連肺炎の診療にあたっては,ガイドラインに示されている耐性菌のリスクのみならず,日常生活動作を含めた全身状態を評価することが重要と考えられた.
Received 17 Oct 2013 / Accepted 6 Mar 2014
連絡先:梅田 喜亮
〒599-8247 大阪府堺市中区東山500-3
ベルランド総合病院呼吸器内科
日呼吸誌, 3(4): 512-518, 2014