
肺結核を合併した気管支カルチノイドの1例
河野 正和a 酒井 俊彦a 廣田 浩介b 横江 絢子a 高村 智恵a 穴見 洋一c 塩野さおりd 戸島 洋一a
a東京労災病院呼吸器内科
b千葉大学医学部呼吸器内科
c東京労災病院呼吸器外科
d同 病理部
症例は63歳,男性.胸部X線にて右上肺野の腫瘤影を指摘され,喀痰からMycobacterium tuberculosisがPCRおよび培養検査で検出された.抗結核薬投与にて排菌は停止し,画像上も陰影は縮小した.治療終了9ヶ月後に結節影が増大し,気管支鏡検査にて気道内腫瘤を認め生検にてカルチノイドの診断を得た.右上葉切除術を施行し非定型的カルチノイドと診断された.カルチノイドと肺結核の合併,特に同一部位での合併の報告はきわめてまれであり貴重な症例と考えられた.
Received 28 Oct 2013 / Accepted 14 Jan 2014
連絡先:河野 正和
〒143-0013 東京都大田区大森南4-13-21
東京労災病院呼吸器内科
日呼吸誌, 3(3): 422-426, 2014