
当院にて局所麻酔下胸腔鏡を施行した結核性胸膜炎―組織培養の有用性の検討―
石井 聡 竹田雄一郎 鈴木 学 宮脇 太一 路 昭暉 正木 晴奈 三好 嗣臣 森野英里子 放生 雅章 杉山 温人
国立国際医療研究センター病院呼吸器内科
2008年3月~2013年7月に,滲出性胸水88例に対して局所麻酔下胸腔鏡を施行し,結核性胸膜炎の診断に至った症例は18例であり,組織培養の提出まで行っている症例は14例であった.そのうち2例は抗TNF-α阻害薬使用中に発症した症例であった.全例,病理組織所見で乾酪性肉芽腫を認めた.Auramine染色もしくはZiehl-Neelsen染色にて陽性であったのは42.9%であった.抗酸菌培養陽性率に関しては,胸水培養陽性率は23.1%であるのに対して組織培養陽性率は64.3%と高値であった.局所麻酔下胸腔鏡検査は結核性胸膜炎の診断だけでなく耐性結核の有無の検索にも有用な可能性がある.
Received 23 Aug 2013 / Accepted 16 Oct 2013
連絡先:石井 聡
〒162-8655 東京都新宿区戸山1-21-1
国立国際医療研究センター病院呼吸器内科
日呼吸誌, 3(3): 366-371, 2014