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書誌情報

特集 COPDの最新情報

Topics 2 COPDの病態研究に関する最近の進歩

別役 智子 

慶應義塾大学医学部内科学(呼吸器)教室

要旨

喫煙誘導性の肺気腫に関連した多くの研究が報告されている.喫煙初期から肺には炎症が起こるが,オキシダントや宿主因子(NF-κB,RTP801)を介して肺胞細胞はアポトーシスへと進む.さらに喫煙は炎症細胞からのプロテアーゼ生成を活性化し,肺胞の弾性線維を破壊,肺の修復/増殖因子を障害し,肺のアポトーシスやオートファジーを活性化する.各種メディエーター(セラミド,EMAP,VEGF)がそれらを助長することによって肺胞腔の拡大を起こす.肺気腫ができた後も肺の異常な加齢は進み,自己免疫や急性増悪を起こし,全身性慢性炎症が持続する.肺気腫の発症機序については多くの研究がなされているが,すべてを説明づけることはいまだにできていない.

キーワード

慢性閉塞性肺疾患 喫煙 蛋白分解酵素 酸化ストレス 加齢 

連絡先:別役 智子
〒160-8582 東京都新宿区信濃町35
慶應義塾大学医学部内科学(呼吸器)教室

日呼吸誌, 3(3): 323-328, 2014

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