
イマチニブメシル酸塩にて治療効果が得られた隆起性皮膚線維肉腫肺転移の1例
古堅 誠a 仲松 正司a 熱海恵理子a,b 宮城 一也a 原永 修作a 藤田 次郎a
a琉球大学大学院医学研究科感染症・呼吸器・消化器内科学講座(第1内科)
b琉球大学医学部附属病院病理部
症例は60歳の男性.49歳時に左前腕隆起性皮膚線維肉腫に対する根治術の既往あり.今回,多発肺腫瘤影精査で左上区部分切除術を施行し,隆起性皮膚線維肉腫肺転移と診断された.近年,隆起性皮膚線維肉腫に対し血小板由来増殖因子受容体阻害作用によるイマチニブメシル酸塩の治療効果が報告されている.本症例では,肺転移を有する隆起性皮膚線維肉腫再発例に対し,イマチニブメシル酸塩で治療を行い病変の縮小が認められた.本症肺転移におけるイマチニブメシル酸塩を使用した本邦治療例はまれであり,報告する.
Received 4 Jun 2013 / Accepted 24 Sep 2013
連絡先:古堅 誠
〒903-0215 沖縄県西原町字上原207
琉球大学大学院医学研究科感染症・呼吸器・消化器内科学講座(第1内科)
日呼吸誌, 3(1): 107-110, 2014