Thoracic splenosisの1例
a独立行政法人労働者健康福祉機構愛媛労災病院呼吸器内科
*現 村上記念病院内科
症例は37歳,女性.発熱を主訴に受診し,右下葉の肺炎と左肺に限局した多発性の胸膜腫瘤,腹腔内の数個の結節陰影を認めた.既往歴に脾臓摘出術があり,splenosisを疑い99mTc-スズコロイドシンチグラフィーを施行したところ,これらに取り込みが認められ,thoracic splenosisおよびabdominal splenosisと診断した.本症は,左肺に限局する特徴的な臨床像と既往歴から疑いを持てば,適切な画像診断により比較的容易に確定診断が可能であり,不必要な生検や胸腔鏡検査を含めた侵襲的検査を避けることができる.
Received 23 Apr 2013 / Accepted 30 May 2013
連絡先:森 公介
〒792-8550 愛媛県新居浜市南小松原町13-27
独立行政法人労働者健康福祉機構愛媛労災病院呼吸器内科
日呼吸誌, 2(6): 846-851, 2013