抗インターフェロン-γ抗体が陽性であった播種性Mycobacterium avium complex症の1例
山梨大学医学部循環器・呼吸器内科
症例は74歳,男性,39℃台の発熱にて受診.乏しい局所所見,WBC,CRP,プロカルシトニン(PCT)高値から感染部位不明の敗血症と診断した.一般抗菌薬は効果なく,喀痰にMycobacterium intracellulareを,骨髄生検にて類上皮細胞性肉芽腫を認めたため播種性Mycobacterium avium complex(MAC)症を疑い,後に骨髄液でM. intracellulareが培養され診断が確定した.免疫不全をきたす既知の疾患はなかったが,血清の抗インターフェロン-γ(IFN-γ)抗体が陽性であり,発症に関与しているものと考えられた.
Received 16 May 2013 / Accepted 20 Jun 2013
連絡先:石原 裕
〒409-3898 山梨県中央市下河東1110
山梨大学医学部循環器・呼吸器内科
日呼吸誌, 2(6): 836-840, 2013