原発性胆汁性肝硬変,尋常性乾癬に通常型間質性肺炎を合併した1例
朝戸 裕子a,* 田辺 利朗b,f 倉持みずきb 佐藤 則子c 島田 哲也d 河端 美則e
a独立行政法人国立病院機構埼玉病院呼吸器内科
b同 消化器内科
c同 皮膚科
d同 臨床検査科
e埼玉循環器呼吸器病センター病理診断科
f公立山城病院消化器内科
*現 東京警察病院呼吸器科
原発性胆汁性肝硬変と尋常性乾癬を合併した,間質性肺炎の1例を経験した.症例は66歳,女性.乾性咳嗽を主訴に来院し,両肺に間質影を認め,胸腔鏡下肺生検で通常型間質性肺炎と診断した.尋常性乾癬は40歳代より発症し,臨床的に診断された.原発性胆汁性肝硬変は胆道系酵素の上昇,抗M2抗体陽性と肝臓針生検結果から診断し,シェーグレン症候群は合併していなかった.原発性胆汁性肝硬変と尋常性乾癬は,ともに自己免疫疾患でありまれに合併することが知られるが,通常型間質性肺炎合併の報告はなく,きわめて珍しい症例と考えられたため報告した.
Received 1 May 2013 / Accepted 10 Jul 2013
連絡先:朝戸 裕子
〒351-0102 埼玉県和光市諏訪2-1
独立行政法人国立病院機構埼玉病院呼吸器内科
日呼吸誌, 2(6): 822-827, 2013