すりガラス陰影を呈し肺腺癌との鑑別が困難であったコレステロール肉芽腫の1例
土屋 卓磨a 富澤 由雄a 髙橋 源a 吉井 明弘a 川島 修b 斎藤 龍生a
a独立行政法人国立病院機構西群馬病院呼吸器科
b同 呼吸器外科
症例は56歳の女性.原発性肺腺癌にて,左肺上葉切除術後4年5ヶ月で同側下葉に限局性ground-glass opacity(GGO)が2ヶ所出現し,切除したところ両病変ともに肺腺癌であった.その2年8ヶ月後に同側下葉の増大する限局性GGOを切除したところ,コレステロール肉芽腫であった.限局性GGOを呈するコレステロール肉芽腫の報告はなく,また異時性多発高分化型腺癌の経過中にGGOを呈したコレステロール肉芽腫の術前診断は非常に困難であったため,貴重な症例と思われ報告した.
すりガラス陰影 コレステロール肉芽腫 原発性肺癌術後 異時多発肺腺癌
Received 26 Apr 2013 / Accepted 29 Jul 2013
連絡先:土屋 卓磨
〒377-8511 群馬県渋川市金井2854
独立行政法人国立病院機構西群馬病院呼吸器科
日呼吸誌, 2(6): 818-821, 2013