窒息による陰圧性肺胞出血を繰り返した高齢者の1例
友田 義崇a 横井 俊介a 吉光 成児b 平本 博文c 岡本 直樹a
a北九州総合病院内科
b東広島医療センター呼吸器内科
c呉共済病院忠海分院呼吸器内科
症例はグループホーム入所中の91歳,男性.2009年1月食事を喉に詰まらせ北九州総合病院に救急搬送となった.著明な呼吸不全,気道内の出血を認め人工呼吸管理を要したが速やかに改善した.3ヶ月後に再度食事を喉に詰まらせ,再度北九州総合病院に救急搬送された.入院後症状は改善したが前回入院時と類似した陰影を認めたため,気管支肺胞洗浄を施行したところ血性の回収液を認め肺胞出血と診断した.肺胞出血をきたすような基礎疾患を認めず,誤嚥に伴う上気道閉塞を契機とした陰圧性肺胞出血を繰り返したものと思われた.
Received 23 Apr 2013 / Accepted 4 Jul 2013
連絡先:友田 義崇
〒800-0295 福岡県北九州市小倉南区湯川5-10-10
北九州総合病院内科
日呼吸誌, 2(6): 814-817, 2013