体外式膜型人工肺使用下に集学的治療を行い救命しえた柴朴湯が原因と考えられた薬剤性肺炎
築家 直樹 池田宗一郎 三好 啓治 奥田 英右 後藤 功 花房 俊昭
大阪医科大学内科学I
症例は60歳,女性.感冒に対し柴朴湯を開始したが,乾性咳嗽と呼吸困難が出現した.胸部CTで牽引性気管支拡張を伴うびまん性すりガラス陰影を認め,重篤な低酸素血症を伴っていた.ステロイドパルス療法を施行したが奏効せず,人工呼吸器管理となった.体外式膜型人工肺の使用下にステロイド,シベレスタット(sivelestat)に加え,シクロホスファミドパルス療法と免疫グロブリン大量療法を施行した.これらの治療により人工呼吸器から離脱した.柴朴湯に対するリンパ球刺激試験は陰性だったが,臨床経過から柴朴湯による薬剤性肺炎と診断した.
柴朴湯 薬剤性肺障害 シクロホスファミドパルス 免疫グロブリン大量療法 体外式膜型人工肺
Received 8 Apr 2013 / Accepted 22 Jul 2013
連絡先:築家 直樹
〒569-8686 大阪府高槻市大学町2-7
大阪医科大学内科学I
日呼吸誌, 2(6): 799-803, 2013