メシル酸イマチニブによる結節を伴った間質性肺炎の1例
市川 晶博a,* 竹田雄一郎a 杉山 温人a 小林 信之a 平井 理泉b 猪狩 亨c
a国立国際医療研究センター病院呼吸器内科
b同 血液内科
c同 病理部
*現 東京慈恵会医科大学葛飾医療センター呼吸器内科
症例は77歳,女性.慢性骨髄性白血病の診断のもと,メシル酸イマチニブで治療していた.治療開始後4ヶ月頃より呼吸困難出現,胸部CTで両側すりガラス陰影と右S6bに2 cmの結節,両肺に小結節を認めた.確定診断のため気管支鏡下に生検を施行した.結節は間質性肺炎の所見で,イマチニブによる間質性肺炎と診断した.イマチニブ中止のみでは結節影の改善が乏しく,プレドニゾロンによる治療を行った.イマチニブによる結節を伴った間質性肺炎の頻度は少ない.本例ではすりガラス影に多発結節を伴い,ステロイド療法が必要であった.
Received 5 Apr 2013 / Accepted 23 Jun 2013
連絡先:市川 晶博
〒162-8655 東京都新宿区戸山1-21-1
国立国際医療研究センター病院呼吸器内科
日呼吸誌, 2(6): 794-798, 2013