維持透析下に血中濃度を参考としてアムルビシンを投与した大細胞神経内分泌癌の1例
石橋 昌幸a 花田 豪郎a 鹿島 枝里b 鈴木 進子a 高谷 久史a 藤井 丈士c,d 岸 一馬a,d
a国家公務員共済組合連合会虎の門病院呼吸器センター内科
b同 薬剤部
c同 病理部
d冲中記念成人病研究所
症例は63歳,女性.維持透析中に胸部異常影を指摘され,肺癌の疑いで右下葉切除術を施行した.大細胞神経内分泌癌(pT2aN0M0)と診断し,術後補助化学療法としてシスプラチン+エトポシドを4サイクル施行した.7ヶ月後に再発を確認し,その治療として透析下でアムルビシンを投与する際,アムルビシンと代謝産物であるアムルビシノールの血中濃度を測定した.1サイクル目の経過中に発熱性好中球減少症を合併したため,薬剤の血中濃度を参考にアムルビシンを減量し,2サイクル目以降の投与量を調整した結果,安全に4サイクル施行でき,最良効果はstable diseaseであった.
大細胞神経内分泌癌 アムルビシン 血液透析 アムルビシノール 薬物血中濃度-時間曲線下面積
Received 29 March 2013 / Accepted 1 Jul 2013
連絡先:花田 豪郎
〒105-8470 東京都港区虎ノ門2-2-2
国家公務員共済組合連合会虎の門病院呼吸器センター内科
日呼吸誌, 2(6): 788-793, 2013