集学的治療により救命しえたclinically amyopathic dermatomyositisに合併した急速進行性間質性肺炎の1例
横山 聖太a 佐藤 賢b 槇本 剛b 萱谷 紘枝c 藤原 慶一b 佐藤 利雄b
a独立行政法人国立病院機構岡山医療センター総合診療科
b同 呼吸器科
c岡山大学病院血液・腫瘍・アレルギー内科
症例は60代,男性,発熱にて近医受診,低酸素血症が増悪したため国立病院機構岡山医療センター転院となった.ヘリオトロープ疹,mechanic's hand,KL-6の上昇を認めたが筋症状は認めなかった.胸部CTで両側浸潤影とすりガラス影を認め,clinically amyopathic dermatomyositis(CADM)に合併した急速進行性間質性肺炎(rapidly progressive interstitial pneumonia:RPIP)と診断した.副腎皮質ステロイド(ステロイド)パルス療法を開始したが人工呼吸管理となり,シクロスポリン内服療法,ポリミキシンB固定化繊維カラムによる直接血液灌流法(polymyxin B-immobilized column direct hemoperfusion:PMX-DHP)を併用した.第12病日に人工呼吸器より離脱し,現在も再増悪なく経過している.早期に集学的治療を行うことにより救命しえたCADMに合併したRPIPの1例を経験したので報告する.
皮膚筋炎 Clinically amyopathic dermatomyositis (CADM) 抗KS抗体 急速進行性間質性肺炎 ポリミキシンB固定化繊維カラムによる直接血液灌流法(PMX-DHP)
Received 12 Mar 2013 / Accepted 21 Jun 2013
連絡先:佐藤 賢
〒701-1192 岡山市北区田益1171-1
独立行政法人国立病院機構岡山医療センター総合診療科
日呼吸誌, 2(6): 767-772, 2013