慢性肺アスペルギルス症に対するイトラコナゾール注射/カプセルによる有効性・安全性の検討
斎藤 武文a 工藤 翔二b 小倉 剛c 河野 茂d 尾形 英雄b 倉島 篤行b 小川 賢二e
a国立病院機構茨城東病院
b公益財団法人結核予防会複十字病院
c公益財団法人結核予防会大阪府支部
d長崎大学医学部第2内科
e国立病院機構東名古屋病院
慢性肺アスペルギルス症を対象に,イトラコナゾール(ITCZ)の注射薬からカプセル剤への切り替えによる臨床的検討を行った.67例が登録され,画像所見と臨床症状から判定された有効率は,判定不能5例を除いて59.7%(37/62)であり,一次治療例では63.5%(33/52),他剤無効例でITCZへ切り替えられた症例では40%(4/10例)であった.28例35件の有害事象が観察され,主なものは消化器症状,浮腫,発熱,肝機能検査値異常であった.慢性肺アスペルギルス症に対してITCZの注射薬から高用量カプセル剤へのスイッチ療法は重要な選択肢の一つとなりうることが示された.
慢性肺アスペルギルス症 イトラコナゾール 高用量カプセル スイッチ療法
Received 11 Mar 2013 / Accepted 28 Jun 2013
連絡先:斎藤 武文
〒319-1113 茨城県那珂郡東海村照沼825
国立病院機構茨城東病院
日呼吸誌, 2(6): 724-729, 2013