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書誌情報

特集 感染症―肺炎―

Topics 7
臨床研究
―肺炎における臨床研究の最新の知見は?―

柳原 克紀a,b 

a長崎大学大学院医歯薬学総合研究科病態解析・診断学分野
b同 検査部

要旨

超高齢社会の到来に伴い,誤嚥などによる肺炎患者は増加の一途をたどっている.肺炎による死亡者も我が国における死因の第3位になっている.そのような背景で,診療にはさらなる工夫が求められている.我が国の研究者によって初めて報告されたマクロライドの抗炎症作用は,海外でも注目されてきており,重症肺炎に対する併用薬としての臨床的エビデンスが蓄積されてきている.外来治療の利点を最大限生かし,欠点をカバーできるスイッチ療法(注射用抗菌薬から経口抗菌薬への切り替え)は,医療経済的にも有用なことが検証されており,新しい戦略として期待されている.肺炎診療において原因微生物の検出は,診断および治療を適切に実施する上で,きわめて大切である.従来は,分離培養や生化学的な同定による検査が主流であったが,最近ではmolecular diagnosisが用いられている.なかでも,loop-mediated isothermal amplification(LAMP)法は,簡便かつ迅速であり,臨床的有用性が高い.

キーワード

重症肺炎 マクロライド スイッチ治療 Molecular diagnosis 

連絡先:柳原 克紀
〒852-8102 長崎市坂本1-7-1
長崎大学大学院医歯薬学総合研究科病態解析・診断学分野

日呼吸誌, 2(6): 708-716, 2013

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