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疫 学
―肺炎の疫学が示す真実は?―
死亡率からみえてくる呼吸器科医の現状と未来
a仙台赤十字病院呼吸器科
b東北大学加齢医学研究所抗感染症薬開発研究部門
厚生労働省人口動態統計によると,日本人の死因における肺炎の順位は2011年に脳血管疾患を抜いて第3位となった.年齢階層別の肺炎死亡数は75歳以上で倍加的に増加するものの,これは単に高齢者人口が増えたことに起因しており,年齢調整死亡率年次推移が減少傾向にあることからも明らかである.また,世界的にみても多くの先進国と同様,肺炎性別年齢調整死亡率は100人/人口10万人を下まわっている.なお,肺炎の外来受療率は横ばいであるが,入院受療率は増加傾向にあり,今後も呼吸器内科医の感染症治療における役割に大きな期待がかかる.
連絡先:三木 誠
〒982-8501 宮城県仙台市太白区八木山本町2-43-3
仙台赤十字病院呼吸器科
日呼吸誌, 2(6): 663-671, 2013