陽・陰圧体外式人工呼吸療法により改善した閉塞性肺炎の1例
谷山 大輔a,b 川合 祥子a 宮本 京介a 真下 周子a 坂巻 文雄a
a東京都済生会中央病院呼吸器内科
b済生会横浜市東部病院総合内科
症例は70歳,男性.脊髄小脳変性症のため,日常生活動作は全介助の状態であった.入院2週間前から喀痰の増加と発熱を認め,胸部X線写真による左中下肺野の肺炎の診断で入院となった.数種類の抗菌薬治療に反応せず,肺炎による呼吸不全,炎症反応は悪化傾向で,喀痰による無気肺に伴う閉塞性肺炎と考えた.入院34日目に陽・陰圧体外式人工呼吸器を装着した.その後肺炎は改善傾向を示し,人工呼吸器離脱後も再燃なく経過した.喀痰の喀出が困難な閉塞性肺炎に対して陽・陰圧体外式人工呼吸療法が有効であった1例と考えられた.
Received 20 Feb 2013 / Accepted 20 May 2013
連絡先:谷山 大輔
〒108-0073 東京都港区三田1-4-17
東京都済生会中央病院呼吸器内科
日呼吸誌, 2(5): 617-621, 2013