臓側胸膜子宮内膜症による月経随伴性気胸の1例
芳賀 高浩a 福岡みずきa 森田 瑞生a 長 晃平a 片岡 秀之b 栗原 正利b
a日産厚生会玉川病院呼吸器内科
b同 気胸研究センター
症例は30歳,女性.骨盤内子宮内膜症に対し,入院5年前から2年間,低用量ピルを内服していた.内服終了後,右自然気胸を発症した.以後,14回にわたり右気胸を繰り返しており,すべて安静で軽快していた.気胸の発症日は月経開始日もしくは前日であった.月経随伴性気胸を疑い,日産厚生会玉川病院紹介受診となった.局所麻酔下胸腔鏡検査を施行し,横隔膜に異常はみられなかった.胸腔鏡下に手術を施行し,右上葉の嚢胞を切除した.病理学的に臓側胸膜に子宮内膜間質が確認された.横隔膜に異常所見のない臓側胸膜子宮内膜症による月経随伴性気胸はまれであり,報告する.
Received 14 Feb 2013 / Accepted 12 Apr 2013
連絡先:芳賀 高浩
〒158-0095 東京都世田谷区瀬田4-8-1
日産厚生会玉川病院呼吸器内科
日呼吸誌, 2(5): 603-606, 2013