医療・介護関連肺炎として発症したレジオネラ肺炎の1剖検例
石井 秀明a 冨岡 洋海a 平田 悠a 関谷 怜奈a 金子 正博a 勝山 栄治b
a神戸市立医療センター西市民病院呼吸器内科
b同 臨床病理科
症例は83歳,男性.高熱,ふらつきで近医を受診し,肺炎として当院紹介受診.脳梗塞の既往を有し,ショートステイを利用しているperformance status 3の認知症患者であり,医療・介護関連肺炎(NHCAP),耐性菌リスクなしのB群と診断し,誤嚥性肺炎を疑い,SBT/ABPCの投与を開始.レジオネラ尿中抗原陽性が判明し,CPFX+AZMを追加投与したが,急速に全身状態悪化し死亡,剖検肺からもLegionella属菌が培養された.NHCAPではChlamydophila以外の非定型病原体の関与は少ないとされており,教訓的な症例として報告した.
Received 28 Dec 2012 / Accepted 23 Apr 2013
連絡先:冨岡 洋海
〒653-0013 兵庫県神戸市長田区一番町2-4
神戸市立医療センター西市民病院呼吸器内科
日呼吸誌, 2(5): 562-566, 2013