ジアフェニルスルホンが被疑薬とされステロイド治療を要した好酸球性肺炎の1例
加藤 元康a 森 貴紀a 小林 功a 長岡鉄太郎a 瀬山 邦明a 植草 利公b 高橋 和久a
a順天堂大学大学院医学研究科呼吸器内科
b関東労災病院病理診断科
症例は63歳,女性.2007年特発性血小板減少性紫斑病と診断,2011年1月よりジアフェニルスルホンを投与された.投与後に皮疹,肝機能障害,発熱,呼吸困難が次第に出現し,低酸素血症のため緊急入院.胸部CT,気管支肺胞洗浄液の所見からジアフェニルスルホンによる好酸球性肺炎を疑った.投薬を中止し経過観察したが,画像所見の悪化のためステロイドパルス療法を施行し改善した.海外ではジアフェニルスルホンによる皮疹,好酸球性肺炎,肝障害を含めた多臓器障害の報告があり,貴重な症例と考えられ報告する.
Received 26 Oct 2012 / Accepted 4 Apr 2013
連絡先:加藤 元康
〒113-8421 東京都文京区本郷2-1-1
順天堂大学大学院医学研究科呼吸器内科
日呼吸誌, 2(5): 550-555, 2013