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日本呼吸器学会誌 増刊号 学術講演会プログラム 抄録集 全文PDF

書誌情報

症例

リファブチンによる薬剤性肺炎が疑われた1症例

西山 明宏 橋本  徹 吉岡 弘鎮 橘  洋正 有田真知子 石田  直 

倉敷中央病院呼吸器内科

要旨

症例は73歳,男性.クラリスロマイシン(CAM)耐性の非結核性抗酸菌症(NTM症)を倉敷中央病院呼吸器内科にて通院治療中であった.2009年9月,前立腺癌の術後より発熱が遷延し,胸部CTにて肺炎像を認めた.精査の結果,NTM症の増悪と診断し,エタンブトール(EB),イソニアジド(INH),アミカシン(AMK),リファブチン(RBT)の4剤で治療を開始した.治療開始3ヶ月後に発熱と呼吸困難が出現し,低酸素血症を認めた.胸部CTにて広範なすりガラス陰影,KL-6とSP-Dの高値を認め,NTM症治療薬による薬剤性肺炎を疑い気管支肺胞洗浄を施行した.気管支肺胞洗浄液の細胞分画ではリンパ球が83%と著明な上昇を認めた.4剤の中断で,発熱・すりガラス陰影・低酸素血症は軽快し,RBTを除く3剤を再開し,リファンピシン(RFP)を追加するも増悪は認められなかった.RBT再投与での増悪を確認していないが,他の疾患の関与は否定的であり,RBTによる薬剤性肺炎と診断した.検索した限り,本症例はRBTによる薬剤性肺炎の第1例目と思われ報告する.

キーワード

薬剤性肺炎 リファブチン 気管支肺胞洗浄液 薬剤リンパ球刺激試験 

Received 17 Dec 2012 / Accepted 26 Feb 2013
連絡先:西山 明宏
〒710-8602 岡山県倉敷市美和1-1-1
倉敷中央病院呼吸器内科

日呼吸誌, 2(4): 456-460, 2013

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