パニツムマブによる薬剤性肺障害が疑われた2例
巴山 紀子a 阪口 真之a 続 敬之a 結城 秀樹a 栗田 聡b 中村 守男a
a公益財団法人ライフエクステンション研究所付属永寿総合病院呼吸器内科
b同 消化器内科
パニツムマブは進行・再発大腸癌に対し使用される抗EGFRモノクローナル抗体である.当院で,本剤投与11例のうち2例に因果関係が疑われる間質性肺疾患(ILD)が発症した.症例1は79歳,男性.FOLFIRI+パニツムマブ2コース後に発症し,ステロイドパルス療法で改善.症例2は73歳男性.mFOLFOX-6+パニツムマブ7コース後に発症し,ステロイドパルス療法とPMX-DHP療法,シクロホスファミドパルス療法を行ったが第22病日に死亡し,剖検でびまん性肺胞障害を認めた.本剤は致死的なILDを発症する可能性があり,症例の蓄積と検討が重要と考えられる.
パニツムマブ 間質性肺疾患 ポリミキシンB固定線維化カラムによる直接血液灌流療法 抗EGFRモノクローナル抗体 びまん性肺胞障害
Received 14 Nov 2012 / Accepted 26 Feb 2013
連絡先:巴山 紀子
〒110-8645 東京都台東区東上野2-23-16
公益財団法人ライフエクステンション研究所付属永寿総合病院呼吸器内科
日呼吸誌, 2(4): 419-423, 2013