慢性好酸球性肺炎として治療し,増悪後の外科的肺生検で非特異性間質性肺炎と診断された1例
野上 裕子a 川野 奈菜a 古森 雅志a 岩永 知秋a 渡辺憲太朗b
a独立行政法人国立病院機構福岡病院呼吸器科
b福岡大学医学部呼吸器内科
症例は59歳,女性.気管支喘息として近医で加療中,呼吸困難が増悪し独立行政法人国立病院機構福岡病院に紹介された.胸部X線写真で両下肺野のすりガラス様陰影を認め,気管支肺胞洗浄(BAL)と経気管支肺生検を施行した.BAL液中の好酸球が68%であり,慢性好酸球性肺炎(CEP)と診断しステロイド薬投与を開始した.ステロイド減量に伴い,いったん改善した陰影が増強したので,再度BALを施行したが,好酸球は4%であった.胸腔鏡下肺生検を施行し,非特異性間質性肺炎(NSIP)と診断された.薬剤性などの好酸球増多の原因となる背景・基礎疾患を同定できず,喘息に合併したNSIPと診断した.
慢性好酸球性肺炎 非特異性間質性肺炎 気管支肺胞洗浄液 胸腔鏡下肺生検
Received 24 Sep 2012 / Accepted 19 Feb 2013
連絡先:野上 裕子
〒811-1394 福岡市南区屋形原4-39-1
独立行政法人国立病院機構福岡病院呼吸器科
日呼吸誌, 2(4): 389-394, 2013