人工呼吸器管理を要した荊芥連翹湯による薬剤性肺障害の1例
中川 淳a,* 齊藤 弘明a 清水 郷子a 浜口 玲央a 神 靖人a 吉村 信行a
a平塚共済病院呼吸器科
*現 東京共済病院呼吸器科
症例は67歳,女性.約1ヶ月前より,酒さ様皮膚炎にて荊芥連翹湯を内服していたが,発熱,咳嗽,呼吸困難が出現したため当院救急外来を受診した.胸部X線写真上,全肺野にびまん性すりガラス陰影を認め,急性に経過する間質性肺炎として緊急入院となった.著明な低酸素血症のため,人工呼吸器(NPPV)管理となり,ステロイドパルス療法を施行したところ,呼吸状態は改善した.BALF所見では,リンパ球分画の増加とCD4/CD8低下,TBLB所見では胞隔炎と腔内器質化滲出物を認めた.病歴・治療経過・検査所見より,同剤による薬剤性肺障害と診断した.
Received 18 Jul 2012 / Accepted 13 Dec 2012
連絡先:中川 淳
〒254-8502 神奈川県平塚市追分9-11
平塚共済病院呼吸器科
日呼吸誌, 2(3): 249-253, 2013