病変軽微な肺Mycobacterium avium complex症の長期経過―胸部X線写真での検討―
市木 拓a 渡邉 彰b 植田 聖也b 佐藤 千賀b 阿部 聖裕b
a独立行政法人国立病院機構愛媛医療センター内科
b同 呼吸器内科
日本結核病学会分類の病変の拡がり1に相当し,空洞や気管支拡張像のない病変軽微な肺Mycobacterium avium complex(MAC)症21例の長期経過を胸部X線写真の変化をもとに検討した.診断時と比較した「悪化」例は5年後から増加し,8~10年後には66%となった.治療された症例では,治療後1~2年経過時には「軽度改善」「改善」例が55%あったが,以後経年的に減少し,「悪化」例が多くなっていた.このような臨床経過を知り,治療する際にはその効果を持続させる試みが必要である.
肺Mycobacterium avium complex(MAC)症 胸部X線写真 長期経過
Received 14 Sep 2012 / Accepted 27 Nov 2012
連絡先:市木 拓
〒791-0281 愛媛県東温市横河原366
独立行政法人国立病院機構愛媛医療センター内科
日呼吸誌, 2(3): 182-186, 2013