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日本呼吸器学会誌 増刊号 学術講演会プログラム 抄録集 検索用
日本呼吸器学会誌 増刊号 学術講演会プログラム 抄録集 全文PDF

書誌情報

症例

上気道閉塞パターンを呈し声門下狭窄を伴ったWegener肉芽腫症の1例

佃屋  剛 濱田  努 本川 郁代 寒川 卓哉 井上 博雅 

鹿児島大学大学院医歯学総合研究科呼吸器内科学

要旨

症例は23歳,女性.主訴は労作時呼吸困難・喘鳴・乾性咳嗽.2004年5月より左耳漏,両側難聴,嗄声が出現.近医耳鼻咽喉科で両側鼓室内に充満する肉芽形成を指摘された.生検にて好中球優位な肉芽組織所見を認め,好酸球性中耳炎の診断で耳漏ドレナージおよびステロイド局注を施行されていた.また,声門下狭窄を認め特発性声門下狭窄症としてプレドニゾロン2 mg内服で経過観察されていた.2009年2月労作時呼吸困難・喘鳴・乾性咳嗽が出現し,胸部X線写真で両肺野に多発結節影を指摘された.CTガイド下肺生検による病理学的組織所見と臨床症状よりWegener肉芽腫症と診断し,シクロホスファミドを含めた寛解導入療法を開始した.症状は速やかに軽快したが声門下狭窄は改善しなかった.確定診断までに時間を要し,寛解導入療法でも声門下狭窄の改善を認めなかったWegener肉芽腫症を経験した.

キーワード

声門下狭窄 Wegener肉芽腫症 上気道閉塞パターン 

Received 28 Dec 2011 / Accepted 6 Jul 2012
連絡先:佃屋 剛
〒890-8520 鹿児島市桜ヶ丘8-35-1
鹿児島大学大学院医歯学総合研究科呼吸器内科学

日呼吸誌, 2(2): 107-113, 2013

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