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日本呼吸器学会誌 増刊号 学術講演会プログラム 抄録集 検索用
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書誌情報

原著

肺膿瘍・膿胸7例における歯周病細菌PCR検査の臨床的意義の検討

門屋講太郎a 吉岡 泰子a 難波由喜子a 桂  蓉子a 高   遼a 小池 建吾a 吉岡 正剛a 佐々木信一a 富永  滋a 高橋 和久b 

a順天堂大学医学部附属浦安病院呼吸器内科
b順天堂大学医学部呼吸器内科

要旨

肺膿瘍,膿胸の発症には歯周病が関与し,起炎菌はStreptococcus anginosus groupや偏性嫌気性菌などが知られている.今回我々は,肺膿瘍,膿胸の病巣からの検体で歯周病細菌PCR検査を施行した7例(肺膿瘍3例,膿胸4例)を経験した.1例のみで気管支洗浄液から嫌気性菌が分離されたが,経気管支生検や胸水からの検体の培養検査では嫌気性菌は培養されず,PCR検査では6例に歯周病細菌が検出された(Porphyromonas gingivalis 3例,Tannerella forsythensis 1例,Treponema denticola 1例,Prevotella intermedia 1例).うち1例ではまだ病原性が明らかでないT. denticolaが検出された.歯周病細菌PCR検査は,培養診断が困難な嫌気性菌性呼吸器感染症の起炎菌の同定に有用な検査と考えられた.

キーワード

肺膿瘍 膿胸 歯周病細菌 PCR法 Treponema denticola 

Received 30 Sep 2011 / Accepted 17 Jul 2012
連絡先:門屋 講太郎
〒279-0021 千葉県浦安市富岡2-1-1
順天堂大学医学部附属浦安病院呼吸器内科

日呼吸誌, 2(2): 79-84, 2013

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