
重症インフルエンザA(H1N1)2009 pdm肺炎の3例
石井 崇史a 田村 厚久a 松井 芳憲a,* 松井 弘稔a 永井 英明a 赤川志のぶa 蛇澤 晶b
a独立行政法人国立病院機構東京病院呼吸器疾患センター内科
b同 検査科
*現 福井県済生会病院呼吸器内科
2011年1~2月にインフルエンザA(H1N1)2009 pdm重症肺炎の3例を経験した.内訳は40~45歳の男性2例と女性1例で,2例に肥満あり,2例は精神疾患治療中で1例は糖尿病であった.ワクチン接種済みは1例であった.発症から呼吸不全発現までは5~7日の経過で,鼻腔拭い迅速検査陽性は1例のみ.CT上はいずれも汎小葉性すりガラス影主体の重症肺炎で,1例は挿管管理を要した.診断は,2例で施行した咽頭拭いインフルエンザRNAの陽性,ほか1例でのペア血清AH1の有意上昇で行ったが,いずれの症例も初期の診断・治療に難渋した.
インフルエンザA(H1N1)2009 pdm 重症肺炎 集学的治療
Received 6 Dec 2011 / Accepted 29 Mar 2012
連絡先:石井 崇史
〒204-8585 東京都清瀬市竹丘3-1-1
独立行政法人国立病院機構東京病院呼吸器疾患センター内科
日呼吸誌, 1(7): 567-572, 2012